住宅ローン控除を考えると家の引き渡しはいつがいいか
はじめに
宅建に合格している私に友人からの相談で、家の引き渡しはいつがいいのか相談がありました。
友人は、とくに住宅ローン控除が気になっているらしく、具体的に平成26年3月31日がいいか平成26年4月1日がいいか、という選択で迷っているとのこと。今回は、住宅ローン控除について計算例を踏まえて、いろいろ考察してみました。
住宅ローン控除の概要
住宅ローン控除とは、正式には「住宅借入金等特別控除」といい、ざっくりいえば、住宅ローンがあって要件に当てはまれば、住んでから10年間は所得税を減らしてあげましょう(返金しましょう)、という制度である。
詳しくは、「住宅ローン減税制度の概要 by財務省」を参照ください。
友人は、すでに住宅ローン控除を受けることがでどうすれば受けれるか等は、ここでは書きませんので、ハウスメーカーの営業さんにでも聞いてくださいwww
次に、控除額についてですが、下表のとおり、平成26年3月31日と平成26年4月1日で変わってきます。
時期 | 期間 | 控除率 | 控除限度額 |
---|---|---|---|
平成25年度 | 10年間 | 1% | 20万 |
平成26年度 | 10年間 | 1% | 40万 |
なお、長期優良住宅の場合は下表のとおりです。普通の住宅より10万ほど控除限度額が多くなってます。バリヤフリーとかなら、これがとりやすく、最近の家はすべて長期優良住宅です。
時期 | 期間 | 控除率 | 控除限度額 |
---|---|---|---|
平成25年度 | 10年間 | 1% | 30万 |
平成26年度 | 10年間 | 1% | 50万 |
詳しくは、「長期優良住宅とはby国土交通省」を見てください。
ちなみに、「所得税から住宅ローン控除額を引ききれなかった方 by総務省」より、所得税を返金してもまだあまりがある場合は、住民税も減らしてあげましょうという制度もあります。
ここポイントです!金額的には上限97,500円です。のちのちこれが「役人はせこいの~」と思う金額になるでしょう。
計算例
概要はこれくらいにして、実際に計算していきましょう。計算するまえに、モデルケースとして、借入金:3000万円、給与収入:500万円(家購入時)、長期優良住宅(控除限度額30万円)としましょう。もちろん友人の場合です。
表1 控除限度額について
年齢 | 32歳 | 34歳 | 36歳 | 38歳 | 40歳 |
---|---|---|---|---|---|
借入残 | 3000万 | 2800万 | 2600万 | 2400万 | 2200万 |
給与収入 | 500万 | 550万 | 600万 | 650万 | 700万 |
控除限度額 | 30万 | 28万 | 26万 | 24万 | 22万 |
表2 税額について
年齢 | 32歳 | 34歳 | 36歳 | 38歳 | 40歳 |
---|---|---|---|---|---|
所得税額 | 10万 | 14万 | 17万 | 18万 | 25万 |
住民税額 | 20万 | 24万 | 28万 | 32万 | 36万 |
合計税額 | 30万 | 38万 | 45万 | 50万 | 61万 |
表3 控除額について
年齢 | 32歳 | 34歳 | 36歳 | 38歳 | 40歳 |
---|---|---|---|---|---|
控除限度額 | 30万 | 28万 | 26万 | 24万 | 22万 |
所得税控除 | 10万 | 14万 | 17万 | 18万 | 22万 |
住民税控除 | 9.75万 | 9.75万 | 9万 | 6万 | 0万 |
合計控除 | 19.75万 | 23.75万 | 26万 | 24万 | 22万 |
所得税の計算は、以下をご覧ください。実姉からの強制でしたが、ここで役にたつとはwww
年末調整を(自分で)計算しよう - 明日でいいものは明日しよう
計算例の考察
計算結果を見ながら、考察していきましょう。
前半は控除限度額までもらえまえせんが、後半はまるまるもらえる結果となりました。なお、友人は借入金が3000万円だったため、平成26年3月31日と平成26年4月1日の差異がありませんでした。借入金が3000万円以上なら差異がでてくるのですが、そんなに借りれる人は住宅ローン控除なんて、あまり気にしないのではないでしょうwww
あと、40歳で700万円もらえるのか…というのも叩かれそうですが、「平成24年分 民間給与実態統計調査 by国税庁」をみると、700万円もらっている人は働いている人の約2.9%です。友人は優秀なのでもらえると仮定しましたwww
したがって、友人の場合は、平成26年3月31日の引き渡しがいいと思います。
消費税について
住宅ローン控除について考察しましたが、実は消費税のほうが大きいことに気を付けましょう。消費税は、引き渡しが平成26年3月31日なら5%、平成26年4月1日なら8%になります。
消費税は土地にはかからないので、上物が約1500万円なら45万円の差額となります。結局、消費税が5%の平成26年3月31日のほうがいいってことですね。
というわけでまとめ
今回は、住宅ローン控除について考えてみましたが、さんざん住宅ローン控除を計算しましたて、結局、消費税を考慮して、平成26年3月31日に引き渡しがいいことになりました(泣)友人よ、しっかり働いてくれたまえwwwご精読ありがとうございました。
余談
余談ですが、年収は別にして、借入金3000万円は一般的な金額と思います。借入金が3000万円なのに、控除限度額をあげても、潤うのは金持ち土地持ちだけということがわかります。政府が平成26年4月1日から控除限度額を多くしたのは、アベノミクスという金持ち土地持ちだけへの制度ときっぱりいいましょう。
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